配当性向について理解すると、対象の会社にどのくらい配当を増やせる余裕があるのか予想できます。
このページでは、配当性向の意味や計算式について、わかりやすく解説していきますね。
配当性向とは?
配当性向とは、当期純利益(税引後の利益)のうち、何%を配当金の支払いに充てたのか示す指標です。配当性向が高いほど、株主に多くの利益を還元していることになります。
また、配当性向は「配当を増やせる余力」を判断できる要素の1つです。
たとえば配当性向が80%であれば、会社は当期純利益の80%を配当として株主に払っていることになります。利益以上の金額を株主に支払い続けることは難しいですから、この会社の配当を増やせる余力は20%が限度です。
配当性向の計算方法
配当性向は、年間配当金と当期純利益をもとにして、以下のような計算式で求められます。
計算式に使う「1株あたりの当期純利益」は、ほかにも「EPS」や「1株利益」といった呼ばれ方をします。
先ほどの計算式を使用し、以下の条件をもとに配当性向を求めてみますね。
項目 | 金額 |
---|---|
1株あたりの配当金 | 25円 |
1株あたりの当期純利益 | 100円 |
これらの値を計算式に入れると、配当性向は25%となります。
この場合、会社が利益の25%を配当として株主に支払っている計算です。
基本的には、株式売買に使用する証券会社のアプリから、対象とする会社の配当金や当期純利益(EPS)を閲覧できます。
また、SBI証券のスマートフォンアプリのように、もとから表示項目の1つに配当性向が入っているものもありますよ。
配当性向の目安はどのくらい?
日本企業の配当性向は以下のような分布になっているため、配当性向を参照するときは「20%以上30%未満」を1つの目安としてみてください。
配当性向は会社の成長率を予想するカギ
配当性向が高いほど、配当を通じて株主に多くの利益を還元しているといえます。そのため、一見すると配当性向が高いことは株主側にとって良いことに思うかもしれませんね。
しかし、利益の多くを配当として支払えば、会社に残る資金は少なくなります。結果として、事業を成長させるための資金を確保できず、人員増強や設備投資による規模拡大を進めづらいため、会社の利益が頭打ちしやすくなるのです。
一方で成長期にある会社は、株主への還元より自社を成長させるための事業投資へ資金を充てるため、あえて配当額を絞っているケースもあります。
長期的に見ると、配当性向が低く事業投資に力を入れている会社の方が成長率が高くなる可能性もあるため、配当性向の低さは一概にデメリットとはいえません。
むしろ、前述したように配当性向は「配当を増やせる余力」をあらわしているため、投資先の将来性を考慮するなら、配当性向が平均値を大きく上回る会社は投資対象から外すことをおすすめします。
配当性向は高すぎないほうが良さそうですね!
さいごに
配当金についてより詳しく学びたい方は、配当金を中心とした株式運用を解説する書籍もおすすめです。
書籍を手に取って配当金を学びつつ、ゆうはいをデータベースとして活用していただけると、効率良く情報を集めながら資産運用ができます。